TATAMO!ブログ |アーカイブ|2011年06月
2011.06.29イグサ刈りの体験
2011.06.23松本経済新聞に掲載されました。
【記事転載】
ロール状の畳を被災地へ 松本の畳店が取り組み、作業ボランティア募集
(2011年06月21日)
松本・島立にある「百瀬畳店」(松本市島立、TEL 0263-47-0697)が畳表にクッション材を貼ったロール状の畳「TATAMO!roll(タタモロール)」を考案、東日本大震災の被災地に送る活動を行っている。
同品は、幅66センチ、長さ180センチ、厚さ6ミリで重さは約800グラム。クルクルと巻くことが可能で、自由に持ち運ぶことができる。
同社の百瀬和幸社長は2009年からイグサ農家やデザイナーとともに「TATAMO!プロジェクト」をスタート。畳のサイズに満たない短いイグサを有効利用した商品などを開発している。震災後、「畳屋が何かできることはないだろうか」と考え、避難所でも使えて、移動するときにも気軽に持ち運べるような畳として同品を考案した。熊本県のイグサ農家で畳表を編み、それを同店へ。同店でカットして切り口をかがった後、クッション材を貼り合わせる。その後、山形県の畳店へ送り、縁を縫い付けて避難所へ送る予定。5月に入ってから60枚ほどを送り、現在、被災地へ受け渡す手続きを行っているところだという。
4月下旬から活動を開始。ブログやツイッターを通じてボランティアの募集も行ってきた。17日には、松本市在住の高橋修子さんが加わり、社員の吉澤さんに教わりながら作業を進めた。大きなくぎで畳表とクッション材を留め、工具を使って接着剤を吹き付けて貼り合わせる。「作業は難しくないし、(教えてくれる)先生がいいから」と高橋さん。「現地まで行くのは難しいが、何かできればと思い参加した。少しでも被災地の人に喜んでもらえれば」と話す。
今後もボランティアを募りながら、さらに東京などでも支援を呼び掛けていくという。「長く支援ができるような仕組みにしていきたい」と百瀬社長。「大事なのは心。物は媒体で、届けるのは心だと思っている。多くの人の気持ちを届けることができれば」とも。
【転載終わり】
2011.06.19非効率
畳は一枚一枚、寸法が違います。
オーダーメードで作らないときちんと収まらないのです。
とても非効率ですw
また、材料のイグサは農産物で、畳表に加工するのも農家さんがやりますから
これまた非効率ww
この非効率のおかげで、畳業界には大きな企業が参入してこなかったのかもしれません。
でも、そろそろ状況は変わりそうです。
縁の無い畳の流行と共にそれに加工しやすいビニールの畳表が
かなり増えてきました。
多くの畳屋さんも重宝して使っています。
ビニールの畳表は工業製品ですから効率良く生産、流通します。
製造メーカーも大企業で流通に長けています。
また均一でとても扱いやすいのも特徴です。
それはいずれ職人の腕の見せどころを奪っていきます。
このような効率的な世界では畳屋さん、イグサ農家さんに勝ち目はありません(>_<)
震災後の価値観のひとつは非効率なモノに光を当てることだと思います。
今まで非効率だったモノをちょっとだけ効率的に変えることが
求められているような気がします。
ちょっとだけw
2011.06.18否定の否定
弁証法には「否定の否定による発展」の法則があるそうです。
田坂広志さんが"使える弁証法"の中でおっしゃっています。
ココからは、またまた勝手な仮説w
ビニールの畳はイグサの欠点をクリアしました。
色が変わらない、カビない、丈夫、いろんな色などの優位性があります。
ビニールの畳はイグサを弁証法的に否定(超越)した訳です。
私は今度、イグサの畳がビニールの畳を否定(超越)する番だと思っています。
それにはビニールの畳の優位性を内包したイグサの畳にしなければなりません。
これはとても難しーい(>_<)
すべての畳を変える必要はないですが、
せめて短いイグサで実験にトライしているTATAMO!で
ビニールの畳を超越したいと思っています。
これが私の描く畳の「否定の否定による発展」です。
それが畳全体の螺旋的発展に繋がればうれしいですw
2011.06.15イグサ本来の姿
畳表の原料であるイグサは本来、丸い形をしています。
織り上げる時にイグサをギューっとつぶしながら、目の詰まった丈夫な畳表にしていきます。
私は畳表に加工されたものより丸々としたイグサ本来の姿が好きですw
畳屋としてはちょっと変ですが・・・
田んぼから刈り取ったばかりのイグサは
露にぬれて綺麗な緑色に輝いています。
一本一本は結構太くて丸く、束にするとずっしり重く、
なぜかとてもかわゆいのです!
何度か熊本でイグサの刈り取りを体験させていただきました。
そういえば、あと2週間くらいで刈り取りの時期です。
これから暑くなるとイグサはぐーーんと伸びます。
しっかり伸びてくれよー
ふと、トトロのサツキとメイのダンスを思い出しますw
「夢だけど夢じゃなかったー」
困った時はこれだなww
2011.06.13あえてしないという思考
できるけど、あえてしないという考え方が好きです。
便利だけど、あえて使わないとかねw
便利なものは気付かないように使う人を疎外します。
畳業界でいえばビニールの畳です。
色は変わらないし、丈夫でカビない。いろんな色も楽しめると多くの畳屋さんが使います。
とても便利な畳ですw
でも便利なものは気付かないように使う人を疎外します。
はじめは便利な素材だと使っているだけですが、次第にそれは流通を変えていきます。
そして画一的な価値観の世界へと進んでいきます。
そこは職人を必要としない世界でしょう。
便利なものをあえて使わないという思考がどこかで必要になると思います。
それが今のような気がします。
東日本大震災以後、いっそうそう思うようになりました。
2011.06.06お手入れ
2011.06.05境界線上に立つ
2011.06.03仮説
最近、いろんな仮説が頭をよぎるw
なぜイグサ農家さんはこんなに激減しているのかとか、
畳のどこを変えて、どこを守るのかとかいろいろ考えます。
イグサ農家さんは自分で栽培したイグサを自分で畳表に織り上げます。
農業以外の仕事もこなすのです。これはかなり長い労働時間になります。
また家族のチームワークが必要になってきます。
何回も熊本に伺って作業を体験させてもらったのでよくわかります。
畳屋さんは大きくて重い畳を一日に何回も運びます。
エレベーターがない上層階は大変です。
これもいつも実体験してるのでよーくわかりますw
大変な仕事だから辛いとか嫌だと言いたいのではありませんww
毎日なにげなくこなしている仕事の中に改善すべきことが隠れているのではないかと、
いろんな仮説が浮かんでは消えていきます。