2011.10.11イグサに敬意を払うとは
日本国内で栽培されるイグサが激減しています。
畳に使われているイグサの8割以上が外国産になってしまいました。
畳職人としては、やはり品質が良い国産のイグサを使いたいところです。
イグサは水や栽培方法で品質がかなり違います。
それが畳の肌触りや香り、耐久性に現れます。
一方、イグサに代わりビニールの畳が多くなってきました。
多くの畳屋さんも好んで使っています。
ですが、これも国産のイグサを減らす要因になっています。
私はこのビニールの畳の方が大きな問題だと思っています。
それは畳の価値観を変えてしまう恐れがあるからです。
ビニールの畳が多くなると、もはや畳を自然素材と言えなくなってしまいます。
畳の香りやサラッとした肌触りを畳の良さと言えなくなります。
新しい畳の定義を創らなくてはなりません。
新素材を手に入れると失うものも多くあるのです。
せめて使う前に「本当はこんなの畳じゃないよな」と
心の中で線を引いて欲しいものです。
それが畳職人としてイグサに敬意を払うことだと思います。