畳と一緒に暮らす、イグサから伝わる生命力
イグサの生産量日本一である熊本県八代市。江戸時代に干拓されたという八代平野には、球磨川の水の恵みにより今も豊かな田園風景が広がっている。
TATAMO! で販売するプロダクトはすべて、熊本県からエコファーマー認定を受けたイグサ農家の園田聖さんがつくる畳表を使用している。
実は園田さんが栽培するイグサの品種は少し変わっている。
現在、市場で主流となっているのは「ひのみどり」という細い種類のイグサで、これを織ると繊細で美しい畳表ができる。しかし、その細さゆえに畳表が薄くなってしまうというマイナス点もある。
そこで園田さんは、太くて粒の大きな「夕凪」という品種を主に育てているのだ。このイグサを使って畳表を織ると肉厚でがっしりとしたものができる。
この太さの違いをたとえるなら、ひのみどりはそうめんで夕凪は蕎麦といったところだろうか。
夕凪の畳表をぐっと踏みしめると反発するような弾力があり、確かなイグサの存在を感じる。
「僕が夕凪を栽培する理由は、生命力の強さは消費者にも還元できると思っているからです。 生命力の強いものをつくって、その畳を敷いた部屋で生活すれば、住んでいる人はイグサから生きる元気をもらえるんじゃないかと考えています。今年は新たに雨にも雪にも負けない、強い生命力をもつ『ひのはるか』という品種も栽培してみたので、畳表の完成が楽しみです」